ウィンドサーフィン中に巨大地震発生!
その時に海上で得られた情報は?

材木座海岸 参加者約50名

オレンジフラッグを確認したら即刻避難!

 材木座海岸。天候に恵まれて風も程良い土曜日は絶好の海日より。そんな中で、巨大地震が発生したら!?
 今回は、鎌倉マリンスポーツ連盟、連盟の事務局長新嶋さんに訓練にもご協力いただき、実際に海上に出ているウィンドサーファーに向けてオレンジフラッグ避難訓練を実施しました。
 訓練に参加するのは、海上にいる多数のウィンドサーファー。訓練が行われることは事前に各周辺ショップを通して周知しましたが、実際に訓練に参加するのは、事前に参加を申し出た人では無く、その日、その時、海上にいた不特定多数のウィンドサーファー。そのような中で、どれだけのウィンドサーファーが避難することができるのか?
秋雨前線の影響で連日雨が続いた後の、久しぶりの日射しが注ぐ土曜ということもあり、ウィンドサーファーは海上で気持ち良さそうに風を切っています。一方で、スタッフの間には、オレンジフラッグがきちんと海上のウィンドサーファーに届くのか、興味と緊張が入り混じる独特の雰囲気で訓練開始時刻を待ちます。
 12時。訓練開始予定時刻に土手からオレンジフラッグ掲出。浜辺にいた人はオレンジフラッグに注目していたが、数十秒は沖のウィンドサーファーに変化が見られないにも感じられましたが、しばらくしてウィンドサーファーの進路が岸に向かっていることが確認できました。

最善の避難を行うために、正しい情報周知

 岸近くにいた人は4分ほどで浜辺に設置した避難本部に到着。海上のウィンドサーファーが本部まで辿りつくまでには11分ほどかかりました。
 オレンジフラッグのことを知るウィンドサーファーも多く、海上からフラッグを視認出来たという声も聞こえてきました。材木座でウィンドサーフィンを楽しむ方々の防災意識は周辺ショップの努力もあり高いことが伺えます。
 本部に集まってきたウィンドサーファーに、用意したパネルで材木座海岸からの避難先である第一中学校までの経路や、津波による浸水予想図の説明を始めると、次々と質問や感想が飛び出します。
 「何分くらいで津波が来ますか?」「とにかく海から離れれば良いと思っていた。」「このあたりで高いところはどこですか?」
 防災への関心は高いが、実際に津波が来るまでに想定されている時間や、避難方法、市が指定する避難所、避難所にある防災備蓄物資の存在など、実際に避難する際の判断材料となる情報については、必ずしも周知が進んでいるわけでもないようだ。
 今回の訓練では、避難経路や避難先の確認や整理が出来て良かったという声もあり、海で地震に遭遇した際の避難には、オレンジフラッグや今後運用が開始される電光掲示板(津波注意報や警報が発表されるとオレンジフラッシュ発光)の啓蒙と同時に、正しい避難方法や避難先の情報も周知していくことが大切であり、継続的に訓練を実施していくことで、必ず啓蒙と周知は正しく広がっていくと感じました。