園庭で遊んでいる最中に巨大地震発生!
園児たちをどう避難させる?

ハリス記念鎌倉幼稚園→鎌倉警察署 参加者約40名

集団での避難時には、慌てることなくまず点呼を

ハリス記念鎌倉幼稚園。その園庭では、普段通り園児たちが楽しそうに遊んでいます。そんな中で、園児も先生たちも立っていられないほどの巨大地震が発生!
 というシチュエーションを設定しました。今回は、ハリス記念鎌倉幼稚園の園長先生、先生方、父兄の皆さん、そして園児と卒園生の皆さんと、合わせて約40名の方々がご協力くださいました。
 避難体験の前に、スタッフと園長先生から、参加者の皆さんに説明を行います。大人はもちろん、お子さんたちも真剣な表情で説明に聞き入っていました。父兄の皆さんにお話をうかがってみると、「先生の指示どおりに、子どもがちゃんと動いてくれるか少し心配」「都内に勤務しているので、大地震が起こっても鎌倉にすぐには戻ってこられない。こういう機会に、園からの避難の様子を見ておけるのはとても有意義」といった声がありました。
 お子さんたちと父兄、先生が園庭でそれぞれに過ごす中、園長先生から「地震が発生しました」のアナウンスがされると、全員、速やかにその場でしゃがみこみます。その後、園長先生の指示に従い、全員が滑り台の前に集合し、すぐに園長先生が点呼を行いました。「一人残らず避難するために、慌てることなく点呼を行うことが何よりも重要です」と園長先生。たしかに、集団での避難時には点呼が必要不可欠です。

お子さんの不安をやわらげるための防災準備も大切

今回の避難体験では、ハリス記念鎌倉幼稚園から約350mほどの距離にある鎌倉警察署を避難場所に設定させていただきました。通常、警察署は災害時の避難場所として設定されていませんが、今回は避難体験にご協力をいただく形で場所をご提供いただきました。
 園旗を手にした園長先生を先頭に、園児と父兄は手をつないで列になって園を出発。先生方は後方からついていきます。大人はもちろん、お子さんたちも静かに、慌てず、ゆっくりと、道の端を歩いてスムーズに避難をしていきます。今回は信号の使用は避け、歩道橋を渡って鎌倉警察署を目指します。
 列も乱れることなく、避難場所である鎌倉警察署へ到着。滑り台前での点呼から避難完了までに要した時間は約7分でした。
 避難体験の終了後は、鎌倉警察署のご厚意により、交通安全教室とパトカー体験乗車を開催。緊張した面持ちで避難体験をしていたお子さんたちが満面の笑みを浮かべ、とても楽しそうな様子でした。
 園に戻ってからの振り返りでは、お子さんたちから「大きな地震が起きたときのことを思うと、すごく怖い」「本当は山に逃げることになるので、それを考えると大変だと思った」といった声があがりました。また、父兄の皆さんからは「津波を想定すると、モタモタしている時間は無い。いざというときの決断のスピードが重要だと感じた」「警報が発令されてから逃げるのでは遅いかも」という振り返りがありました。
 実際に大地震が起きたとき、小さなお子さんの中には驚いて泣き出したり、パニックになる子も少なくないはず。そう考えると、とにかく大人は冷静に行動することを心がけなくてはなりません。また、お子さんたちの不安を少しでも取り除けるよう、日頃から防災や避難のお話をしておくことも大切です。それが、お子さんたちにとっては大きな防災準備のひとつになります。
 夏の暑さが戻ったかのような炎天下の中、真剣に頑張ってくれたお子さんたちをはじめ、参加者の皆さん、ご協力ありがとうございました!